本『受験は要領』 和田秀樹著 PHP文庫

 受験業界ではかなり有名な本。東京大学理科三類を卒業した精神科医である和田秀樹先生の著書である。1987年9月にごま書房より刊行された本を2002年4月に文庫化し、加筆・修正を加えたものになっている。20年以上前に出た本ですが、内容は今でも十分通用するほど秀逸な本である。

数学は解かずに解答のやり方を理解して暗記せよ、というメッセージは今までの数学の勉強とは全く異なるアプローチだ。数学は暗記科目ではないというイメージが強いが、受験数学は解法を暗記して組み合わせた方が点数につながるというのが筆者の主張である。私の周りにいる高学歴の連中に話を聞くと、数学は口を揃えて解き方を暗記すると言っていた。言われてみると確かに受験数学程度なら解き方を暗記すれば対応できる。限られた時間の中で成果を上げるには暗記するのが最も効率が良いのだろう。

成果が上がれば受験勉強は楽しいものに変わりやすいだろうから継続しやすい。そういう意味でこの本はまさに受験生にぴったりの本と言える。学問するのは大学からで良いから、今は目の前の受験を突破するために要領よく勉強しましょうということですね。